かがわの名画座 『映画の楽校』

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★誌上映画館★ 『Lie on KAN』 いよいよオープン!!





 物語は、英国のとある港町の海岸に大量の渡り鳥の死骸が打ち上げられるところから始まります。調べて見ると、鳥は東洋の地ジパングだけに生息する渡り鳥で英国にはいる筈のない種類の鳥。検死の結果、死因は新種のウイルスが原因と分かる。しかし、何故、日本の渡り鳥が英国の港町に飛来し、死んだのか・・。
 同じ頃、風光明媚な瀬戸内海の港町にも見慣れぬ鳥の大量な死骸が打ち上げられていた。調べてみると、鳥は英国産の渡り鳥。死因は新種のウイルス。何故、英国の渡り鳥が日本の港町で発見されたのか‥。
日本政府は直ちに内閣調査部顧問タイガー田中(丹波哲郎・「O07は二度死ぬ』以来の出演。生きてて良かった)に調査を依頼。サンポート高松シンボルタワーの屋上にたったタイガー田中は、絨毯を敷き詰めたように海上を漂う何万羽という渡り鳥の死骸を前に息を飲む。タイガーは早速、かつての仕事仲間であり、30年以来の文通相手、英国情報部、OOナンバー・殺しの許可証を持つ男、J・Bに電報を打ち協力を依頼する。
 今は現役を引退、ひとり静かな隠居生活を送っていたJ・Bの脳裏に、高度成長時代の懐かしい日本の風景が蘇る・・国際犯罪組織スペクターとの死闘、スタントマンのミスで危うく死にかけたミニコプターでの戦闘、スペクターの毒牙にかかり殺されたタイガー田中の秘書・アキ(若林映子)、意外に小さかった横綱佐田の山・・そして、敵を欺くためとはいえ一度は結婚式をあげた海女のキッシー鈴木(浜美恵)・・ああ、白いビギニが眩しかった・・身悶えするJ・B−−『ああ・・美恵に会いたい!』そして『二度と会いたくない・・ブロフェルド!』
 密かに来日したボンドは、タイガー・田中の見立で又々日本人に変装し、調査を開始します。しかし、今のボンドはかつてのボンドではなかった。長年の諜報活動で心身ともに深く傷ついていました。打ち寄せる波際にたたずみ自らの半生を振り替えるボンドの哀愁・・。そんな悩めるボンドの心を癒したのは、瀬戸内海の美しい風景と讃岐人の優しい人情であり、またしても瀬戸内の海女でありました。ボンドの内面を深く堀り下げるここらあたりの描写は今作が最も力をいれている所で、主演のショーン・コネリーは速くも主演男優賞の声が上がっています。(オイオイ、そりゃ速すぎるだろう!)。
 かつてのタフガイ振りを取り戻したボンドは、持ち前の強引さで次々に事件の真相に迫っていきます。渡り鳥を使い世界に悪性の鳥ウイルスを撒き散らし、世界経済の混乱を狙う犯罪組織スペクターの存在、ついに訪れる悪の親玉・宿敵ブロフェルドとの宿命の対決まで−−全長4時間30分、息もつかせぬ超大作であります。ちなみにボンドは本作の中で3度死んで、3度結婚します。瀬戸大橋をつかった30分に及ぶアクションシーン、ブロフェルドの乗ったマリンライナーとそれを追うボンドのアストンマーチンとの壮絶なカーアクション、暴風雨に襲われるレオマワールドでの一大パニックシーン(エキストラ募集中!)、映画史上に残る名シーンがワンサカ続きます。ワイヤーアクションやCGはいっさい使いません。富士山、大相撲、芸者ガール、お祭り場面は出ません。追及するのはボンドの内面であり、あくまでリアリズムです。
 これだけの大作ですから、キャスティングも凄いことになっています。記念作品ですから歴代ボンド役者は全て登場します。ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーア、ティモシー・ダルトン、ピアース・ブロスナン。(注/故デビッド・二ーブン氏は『カジノロワイヤル』の場面から合成出演します)。
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